⑥姫は成瀬くんに守られたい✩.*˚
第3話 誘拐未遂
ちょっと外の風に当たりたいかも。学園生活も平和に過ごせているし、玄関辺りにいればひとりでも大丈夫だよね? なんて考えながら外に出たところで、後ろの席の根本くんに声を掛けられた。
「沙良ちゃんっ!」
「あ、根本くん」
「あれ? ひとり?」
「うん、そうだよ」
「そうなんだ」
そう言いながら彼は辺りを見渡した。
「ねぇ、散歩しない?」
「でも、先生いないし……」
「大丈夫だって! 何かあれば俺が守るから。ちょっと待ってて? 先生に言ってきてあげるよ」
「えっ、でも……」
そう根本くんが言うと、校舎の中に入っていく。
ちょっと今日の根本くん、強引だなぁ……。
言われた通り待って、少したつと彼は戻ってきた。
「こっちこっち!」
彼が私の腕を引っ張り、どんどん進んでいき、門の外に出る。
「えっ? さすがに若槻先生と一緒じゃないし代わりの人もいないのに、ここから出るのはまずいよ……」
そう、若槻先生がいない時には別の先生が代わりに私を守ってくれている。でも今は急に先生が呼ばれ、代わりの先生に頼めなかったからひとりでいる。
「大丈夫だよ! 俺が守るから」
そのまま学園から離れる。そして、木に囲まれ誰もいない静かな場所に来た。
すると近くに停まっていた黒いワンボックスカーから、黒くて大きなマスクで顔を隠した男がふたり出てきた。
その人たちが私を掴み、車に無理やり乗せようとしてくる。
私は必死に抵抗するも相手の力が強くて何も出来ない。恐怖で声も出なくなる。
その時だった。
「二條、大丈夫か!?」
そう言いながらその男たちと私を引き剥がしたのは、根本くんではなく、なんと!
「成瀬、くん?」
何とか声を振り絞り、私は彼の名前を震える小さな声で呼んだ。
「沙良ちゃんっ!」
「あ、根本くん」
「あれ? ひとり?」
「うん、そうだよ」
「そうなんだ」
そう言いながら彼は辺りを見渡した。
「ねぇ、散歩しない?」
「でも、先生いないし……」
「大丈夫だって! 何かあれば俺が守るから。ちょっと待ってて? 先生に言ってきてあげるよ」
「えっ、でも……」
そう根本くんが言うと、校舎の中に入っていく。
ちょっと今日の根本くん、強引だなぁ……。
言われた通り待って、少したつと彼は戻ってきた。
「こっちこっち!」
彼が私の腕を引っ張り、どんどん進んでいき、門の外に出る。
「えっ? さすがに若槻先生と一緒じゃないし代わりの人もいないのに、ここから出るのはまずいよ……」
そう、若槻先生がいない時には別の先生が代わりに私を守ってくれている。でも今は急に先生が呼ばれ、代わりの先生に頼めなかったからひとりでいる。
「大丈夫だよ! 俺が守るから」
そのまま学園から離れる。そして、木に囲まれ誰もいない静かな場所に来た。
すると近くに停まっていた黒いワンボックスカーから、黒くて大きなマスクで顔を隠した男がふたり出てきた。
その人たちが私を掴み、車に無理やり乗せようとしてくる。
私は必死に抵抗するも相手の力が強くて何も出来ない。恐怖で声も出なくなる。
その時だった。
「二條、大丈夫か!?」
そう言いながらその男たちと私を引き剥がしたのは、根本くんではなく、なんと!
「成瀬、くん?」
何とか声を振り絞り、私は彼の名前を震える小さな声で呼んだ。