本当は、だいじょばない【ピュアBL】
 高校二年生の冬。

 実際どう思っているんだろうと思い、ふと、試したくなった。

「俺、彼女出来るかも」

もちろん嘘だ。

「えっ?」

 小説を読んでいた君はぱっと顔をあげ、こっちをみた。気のせいか、表情が悲しそうにも見える。でもそれはただ自分が都合よく解釈をしているだけかもしれない。

「よかったね!ってかカッコイイもんね、彼女ぐらいすぐに出来るよね」

 欲しかった嫉妬の言葉はない……。
 
 君は読んでいる途中の小説を閉じた。いつもは栞を挟んで閉じるのにその栞はテーブルの端に置いたまま。

「あっ、ラーメン切らしてるんだった。コンビニ限定のやつ食べたいな。買ってくる」

 外は雪で気温も低いのに、コートを着ないで出ていった。

「寒いだろ……」

 しかもコンビニまでの距離は5分以上ある。
 コートを急いで着て、君のコートを持つと走って追いかけた。

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