ハーメルンの笛が聴こえるよ…
吹奏楽部の練習が終了した。

その帰り道のこと。

ショウカは、同じく吹奏楽部に所属している友人のフミと一緒に帰宅していた。

フミが担当している楽器は、アルトサックスだ。

『今日の練習もひどかったね…。』

元気なさげにフミが言った。

部活動に対して不満を抱いているのは、ショウカだけではなかった。

それを聞いて、ショウカは答えた。

『ほんとそれな。何回、反復練習させたら気が済むんだろ。ほんと、やってる風が好きな先生だよね。』

2人の会話は、どんどんヒートアップしていく。

顧問の教員に対する不満も止まらない。

『わかる。意味ない練習多いよね。練習日も多いし。それでテストの点数悪かったら怒られるとか、意味わかんない!』

『ブラック部活だよ。ウチ、マジで辞めようかなって考えてるもんね。』

『わたしも。それか、顧問変わってくれないかな。』

『ほんとそれ。顔すら見たくないもん。なんか臭いしさ。』
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