ハーメルンの笛が聴こえるよ…
ショウカは次第に、学校にいても、家にいても、拾った笛を吹きたいと思うようになった。

クラリネットを演奏している時だけは、多少気が紛れるが、油断すると拾った笛のことを考えていた。

日中は学校、夕方は部活動がある為、どう頑張っても夜にしか吹くことできなかった。

夜に出歩くと心配をされそうだ。

しかしショウカは、家族にはクラリネットの練習をしていると告げていた。

それを聞いた家族は、部活動に対して熱心に取り組んでいるという認識だった。

誰も彼女を止めることは無かった。
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