【コミカライズ配信中】すべてを奪われた聖女~二度目の召喚で待っていたのは処刑でした~
「ブルーノ! 急いで魔力検査板を持ってきておくれ」
「かしこまりました」
(魔力検査板? また私の魔力を測定するのかな? でも王宮では無反応だったけど……)
それとも聖教会のものは、精度が良いのだろうか? そんなことを考えて待っていると、すぐにブルーノさんが検査板を手に戻ってきた。
「さあ、サイラ。この前と一緒だ。ここに手を置いてくれ」
ブルーノさんが持ってきた検査板は、王宮の物とまったく同じものだった。きっと結果も一緒だと思うのだけど……。それでも二人が期待に満ちた顔で私を見ているので、そろそろと手を置いて反応を待つことにした。
しかし、やっぱり無反応だ。しばらく待ってみても、昨日と同じで何も光らない。
「…………」
「……変わらないな」
「ふむ。無反応とは、これまた珍しいですな」
二人は顔を見合わせ不思議そうにしている。念の為、もう一度やらされたけど、やっぱり検査板はピクリとも反応しなかった。
(なんだか期待されてたのに、申し訳ないな……。それにしても、私の聖魔力は枯れてしまったの? あの時王女が私から聖女の力も声も奪ったと言ってたけど、実際にそんなことできるのかな? それに呪いって王女がかけたのだろうか……)
こういうことも目の前にいる二人に相談できればいいのに、声が出せないのでなにもできないのが悔しい。はあ〜とため息を吐き落ち込んでいると、カイルは私が疲れたと思ったようで心配そうに顔をのぞき込んできた。