キッチンカーのプリン屋さん。



「本当はもう少しゆっくり距離を縮めてから言うつもりだったんだけど、……もうみよりちゃんに逃げられたくないから」

「うぅ、ごめんなさい」

「だから謝るなって……俺が言いたいのは、俺はみよりちゃんが好きです」


 ……え、え? 好き? 



「俺は、君にそんな顔させたいわけでも泣かせたいわけでもない。ただ、笑っていて欲しいんだ。俺は、明るく笑う君が好きなんだよ」

「……っ……」

「十も上のオジサンに告白されても嬉しくないだろうなって思ったけど、でも、本当に好きなんだ。みよりちゃんが、初恋で……上手く言葉にできないけど、俺はみよりちゃんと付き合いたいって思うしいつかは結婚したいって、お、思ってます」

「……志侑さん、わたし。私も、志侑さんが好きです……昔の恋人と色々あってずっと、恋とは遠ざかって男性とも関わらないようにして来ました。だけど、志侑さんといると優しい気持ちになれて楽しくてとても心地よくて。昔のことなんて忘れるくらい、幸せで好きだなって思ってました。だけど、あの日、元彼と会って話して急に怖くなって帰ってしまって、」


 自分でも何を言っているのかわからなくなる。言葉を紡ぐのが精一杯で、上手く言葉が繋げられない。



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