キッチンカーのプリン屋さん。
近づく距離


 季節めぐり、冬。
 私は、大好きな本屋さん巡りをしていた。


「またいっぱい買ってしまった……重い」


 バス停まで遠いし、明日は筋肉痛かなぁなんて思いながらトボトボ歩いていると名前を呼ばれた。

 だけどキョロキョロしても知り合いらしき人はいない。気のせいかなーなんて思い歩き出したが肩をトントンされて振り向く。


「水無月、さん?」

「気づいてくれて良かったーこんなとこにいるはずないって思ったんだけど、声かけちゃった」

「え、でも水無月さん。どうしてここに……?」

「俺の地元なんだよ。住んでる場所も近いんだよね」


 確かに、今日の格好はラフな感じだ。いつもしっかりめの格好をしているけど、今日は茶色のパーカーに白パンを履いている。

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