鎖に繋がれた月姫は自分だけに跪く竜騎士団長に焦がれてやまない
 オデットは、今まで基本的な礼儀作法と常識の範囲の教育を学んだ程度だった。彼女を所有していた権力者の誰一人として、オデットが賢くなることなど望んではいなかった。

 性的なものにはあまり触れずに育ったものの、何も出来ない人形として扱われていたオデットの前でも彼らはお喋りだった。話を聞いたからとて何も出来ないと、そう見縊られていたからだ。

「……すみません。私の……あの場所に、何かを挿れる事は理解しているんですけど……濡らすんですね」

「そうだ。俺がこうして身体を舐めるのも、その一環だ。もちろん。どこもかしこも丁寧に、舐めるから安心しろ」

「てっ……丁寧だなんて……」

 顔を赤くしたオデットが、もじもじと身体を後ろへと移動させ逃げようとすると揶揄うような表情をしたキースは彼女の両足首を軽く捕まえて開脚させた。

「きゃっ……」

 あっという間に頼りない下着の紐をするりと解かれて、その場所はもう彼から丸見えになってしまった。手で隠そうにも、上に立つ者特有の無言の圧力に押されたオデットはじっと興味深げにそこを見つめている彼の邪魔を出来ないと思ってしまった。

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