鎖に繋がれた月姫は自分だけに跪く竜騎士団長に焦がれてやまない
15 運命の女(side Keith)
(……それが、お前が言っていた運命の女なのか?)
緑の草原でオデットを拾い連れ帰っている道中でセドリックは、キースに問い掛けた。
今ではその時に自分がどう答えたのかは、もう覚えてもいない。
ただただ、それから自分にとって運命の女とは何なのかと、自問自答を繰り返して来ただけだ。
◇◆◇
「キース様! 私。エイミーさんに、教えて貰って自分だけでシチューを作ってみたんです!」
帰って来たばかりで居間に入ったキースが目にしたのは幼い頃に飼っていた毛の長い犬のように、エプロン姿のオデットは「褒めて褒めて」という思いを全身から放つようだった。
オデットの生い立ちを聞けば、誰しもが彼女を可哀想に思い気の毒だと、そう言うだろう。
緑の草原でオデットを拾い連れ帰っている道中でセドリックは、キースに問い掛けた。
今ではその時に自分がどう答えたのかは、もう覚えてもいない。
ただただ、それから自分にとって運命の女とは何なのかと、自問自答を繰り返して来ただけだ。
◇◆◇
「キース様! 私。エイミーさんに、教えて貰って自分だけでシチューを作ってみたんです!」
帰って来たばかりで居間に入ったキースが目にしたのは幼い頃に飼っていた毛の長い犬のように、エプロン姿のオデットは「褒めて褒めて」という思いを全身から放つようだった。
オデットの生い立ちを聞けば、誰しもが彼女を可哀想に思い気の毒だと、そう言うだろう。