鎖に繋がれた月姫は自分だけに跪く竜騎士団長に焦がれてやまない
キースが目にして来た周囲の女性は、大きくは二つの種類に分けられた。キースが手にする多くの利点に目を奪われ、それを我が物にし利用したいと願う女。自分が隣に並び立つなどとんでもないと萎縮して、我先にと去っていく頭の良い女。
オデットのように、こうしてただただ慕いただただ自分をひたむきに信じている。
そんな関係は、人生で初めての事だった。
(キース。この子は調味料を、間違えていたようだ。あまり、美味しくないかもしれない)
ソファに座っているセドリックが、こちらに目を向けずに淡々と伝えて来た。
(お前。自分が食べないからって、何も言わずに済ませたな? もう、良いよ。別に不味くても、食えなくもないだろう)
我関せずが通常のセドリックは、特に問題はないだろうと判断して懸命に料理を作っていたオデットにはそのミスを伝えなかったらしい。
こうして自分の竜と心の中で会話が成立するのも、竜騎士として契約した証だ。寡黙なセドリックには珍しく、もう一度声を掛けてきた。
(オデットが可愛いからと、そうして甘く接するのはあまり良くないんじゃないのか。本人のためにならないだろう)
オデットのように、こうしてただただ慕いただただ自分をひたむきに信じている。
そんな関係は、人生で初めての事だった。
(キース。この子は調味料を、間違えていたようだ。あまり、美味しくないかもしれない)
ソファに座っているセドリックが、こちらに目を向けずに淡々と伝えて来た。
(お前。自分が食べないからって、何も言わずに済ませたな? もう、良いよ。別に不味くても、食えなくもないだろう)
我関せずが通常のセドリックは、特に問題はないだろうと判断して懸命に料理を作っていたオデットにはそのミスを伝えなかったらしい。
こうして自分の竜と心の中で会話が成立するのも、竜騎士として契約した証だ。寡黙なセドリックには珍しく、もう一度声を掛けてきた。
(オデットが可愛いからと、そうして甘く接するのはあまり良くないんじゃないのか。本人のためにならないだろう)