鎖に繋がれた月姫は自分だけに跪く竜騎士団長に焦がれてやまない
18 ごめんな
アイザックが血相を変えてキースの家の中に飛び込んで来たのは、そろそろ灯りをつけようかと辺りが薄闇に包まれて来た夕飯の時間近くなってからだった。
鼻歌を歌いながら夕飯の用意をしていたら、大きな足音の後で居間の扉を乱暴に開いたので、オデットは身体をビクッとさせて驚いた。
「アイザックさん!? どうかしたんですか?」
目を丸くしてオデットがそう言えば、アイザックは厳しい表情を崩さずに肩で大きく息をした。
(何……やだ。もしかして、キースに何かあったの?)
嫌な、予感がした。
今日はどうしても自分が付いて行きたい出撃があると言っていたキースは、自分の竜のセドリックと共に朝早くに出て行った。ここはかなり安全な場所だという事は判りつつも彼の用意した大袈裟な数の護衛が、家の周囲を見張っているはずだった。
まだ数ヶ月の付き合いだがアイザックがこれほどにまで取り乱している様子など、今まで見たことがない。一体何があったのかと不安な表情で目を瞬かせるオデットに、彼は荒い息を整えてから話し出した。
「っ……良いか。落ち着いて、聞いてくれ。キースが戦闘中の部下を庇って、怪我をした。重傷だ。お姫様の助けが要る」
予想もしていなかった信じ難い言葉を聞いて、オデットは手にしていた皿が落ちて割れてしまうのも構わずに彼に駆け寄った。
「お願い。キースが居る場所に、私を連れて行って! 早く!」
鼻歌を歌いながら夕飯の用意をしていたら、大きな足音の後で居間の扉を乱暴に開いたので、オデットは身体をビクッとさせて驚いた。
「アイザックさん!? どうかしたんですか?」
目を丸くしてオデットがそう言えば、アイザックは厳しい表情を崩さずに肩で大きく息をした。
(何……やだ。もしかして、キースに何かあったの?)
嫌な、予感がした。
今日はどうしても自分が付いて行きたい出撃があると言っていたキースは、自分の竜のセドリックと共に朝早くに出て行った。ここはかなり安全な場所だという事は判りつつも彼の用意した大袈裟な数の護衛が、家の周囲を見張っているはずだった。
まだ数ヶ月の付き合いだがアイザックがこれほどにまで取り乱している様子など、今まで見たことがない。一体何があったのかと不安な表情で目を瞬かせるオデットに、彼は荒い息を整えてから話し出した。
「っ……良いか。落ち着いて、聞いてくれ。キースが戦闘中の部下を庇って、怪我をした。重傷だ。お姫様の助けが要る」
予想もしていなかった信じ難い言葉を聞いて、オデットは手にしていた皿が落ちて割れてしまうのも構わずに彼に駆け寄った。
「お願い。キースが居る場所に、私を連れて行って! 早く!」