鎖に繋がれた月姫は自分だけに跪く竜騎士団長に焦がれてやまない
もしかしたら、治療師に施された治療により傷は塞がっているのかもしれない。だが、キースの顔色はサッと見てわかるほどにかなり悪い。大きな傷を負って、多量の血を失っているのかもしれなかった。
「……オデット。悪い。俺より、俺の部下を治療してくれないか」
思わぬ言葉を聞きポカンとした表情になったオデットに、キースは落ち着くように腕を撫でた。
「おい。キース」
彼の行いを咎めるような声を出したアイザックに、キースは苦笑をしつつ顔を向けた。
「俺はもう大丈夫だと、言っただろう。オデットに治癒して貰わねばならないほど、酷い怪我でもない。幸い、毒がある魔物でなくて助かった。アイザック。オデットを、あいつの居る病室にまで案内してくれ。俺は近い内に、どうこうなるような事はないが。わかっているだろう。あちらの方が、かなり怪我は酷い。優先してやってくれ」
「……お前は、それで良いんだな?」
「俺が。そう言ったんだ。頼む」
キースの言葉を聞いて、アイザックが大きく息を吐いた。唖然としたままのオデットに部屋を出ようと促すように目を向けてから、先に病室を出て行った。
「……オデット。悪い。俺より、俺の部下を治療してくれないか」
思わぬ言葉を聞きポカンとした表情になったオデットに、キースは落ち着くように腕を撫でた。
「おい。キース」
彼の行いを咎めるような声を出したアイザックに、キースは苦笑をしつつ顔を向けた。
「俺はもう大丈夫だと、言っただろう。オデットに治癒して貰わねばならないほど、酷い怪我でもない。幸い、毒がある魔物でなくて助かった。アイザック。オデットを、あいつの居る病室にまで案内してくれ。俺は近い内に、どうこうなるような事はないが。わかっているだろう。あちらの方が、かなり怪我は酷い。優先してやってくれ」
「……お前は、それで良いんだな?」
「俺が。そう言ったんだ。頼む」
キースの言葉を聞いて、アイザックが大きく息を吐いた。唖然としたままのオデットに部屋を出ようと促すように目を向けてから、先に病室を出て行った。