鎖に繋がれた月姫は自分だけに跪く竜騎士団長に焦がれてやまない
「……キース。お前も、本当に……上手くやるなぁ。本来であれば臣下の身分で終わるはずが、王に取り入って高貴な王族に名を連ねるだけでもなく……また、とんでもなく利用価値のあるものを、自分のために使うのか」
嫌味な、言い方だった。表現を特に婉曲にする事もなく、率直に初老の男性はキースに対してオデットの能力を利用していると揶揄したのだ。
「あー……そうです。可愛い女の子は、本当に人類の宝ですよねー。あの笑顔に、荒んだ心がいつも癒されますよ。あ、エズウェル大臣、そろそろ会議のお時間じゃないですかね。行かなくて、大丈夫です?」
とても判り易く嫌味を言われたというのに、キースは全く相手にする事もなく懐中時計で時間を確認してから先方の心配までしてみせた。
「ふんっ……小僧が。良い気に、なるなよ。ガヴェアの月姫までその手に入れ、権力を拡大しいつか王座まで狙うつもりか。俺が目の黒い内は、絶対にそんなことをさせないからな!」
「はは……お疲れ様です」
苦笑してキースは、いきり立って去っていく大臣の背中に礼をした。
嫌味な、言い方だった。表現を特に婉曲にする事もなく、率直に初老の男性はキースに対してオデットの能力を利用していると揶揄したのだ。
「あー……そうです。可愛い女の子は、本当に人類の宝ですよねー。あの笑顔に、荒んだ心がいつも癒されますよ。あ、エズウェル大臣、そろそろ会議のお時間じゃないですかね。行かなくて、大丈夫です?」
とても判り易く嫌味を言われたというのに、キースは全く相手にする事もなく懐中時計で時間を確認してから先方の心配までしてみせた。
「ふんっ……小僧が。良い気に、なるなよ。ガヴェアの月姫までその手に入れ、権力を拡大しいつか王座まで狙うつもりか。俺が目の黒い内は、絶対にそんなことをさせないからな!」
「はは……お疲れ様です」
苦笑してキースは、いきり立って去っていく大臣の背中に礼をした。