鎖に繋がれた月姫は自分だけに跪く竜騎士団長に焦がれてやまない
(大事なキースがそう願うから、彼は私を守ってくれる。セドリックが何より大事にしようとしているのは、キースなんだ。セドリックは、年齢も高いし戦闘の経験も数多い。だからこそ、慎重で狡猾な性格なのだとキースは言っていた。そのセドリックが嫌な予感がすると言うキースを戦場に置いて来たのは、私が妙なことを仕出かして、彼の邪魔にならないようにするためもあるのかもしれない)
セドリックは、試すような視線をこちらに向けている。オデットは、緊張しつつ言葉を選んで答えた。
「私の能力を、知っているでしょう。キースがもし瀕死になっても、私なら彼を癒すことも出来る。安全なここに居たとしても、そんな時にも助けてあげられない。彼の武器を奪う足枷になるくらいなら、共に行くわ。戦場だって怖くない。滅多なことでは、足を竦ませることもないわ。セドリックだって、私が逃げていたあの恐ろしい鉄巨人を見たでしょう?」
「……ああ。あれは確かに、悪夢に出てくるような化け物だった」
セドリックは、苦笑して目を眇めつつ頷いた。彼が即落第だと判断するような答えにならなくて良かったと、オデットは小さく息を吐いた。
セドリックは、試すような視線をこちらに向けている。オデットは、緊張しつつ言葉を選んで答えた。
「私の能力を、知っているでしょう。キースがもし瀕死になっても、私なら彼を癒すことも出来る。安全なここに居たとしても、そんな時にも助けてあげられない。彼の武器を奪う足枷になるくらいなら、共に行くわ。戦場だって怖くない。滅多なことでは、足を竦ませることもないわ。セドリックだって、私が逃げていたあの恐ろしい鉄巨人を見たでしょう?」
「……ああ。あれは確かに、悪夢に出てくるような化け物だった」
セドリックは、苦笑して目を眇めつつ頷いた。彼が即落第だと判断するような答えにならなくて良かったと、オデットは小さく息を吐いた。