鎖に繋がれた月姫は自分だけに跪く竜騎士団長に焦がれてやまない
返す声が震えてしまうのは、仕方ない事だった。あの草原でキースが救い出してくれるまで、オデットにとってはカイルは絶対的な存在でもあった。
「お前にはわかっていると思うが、あれも異世界から来たものだ。とても扱い難い黒い大蛇は、とある特殊な魔法を使うことが出来る。喚び出した俺があれに命を下せば、その対象を呪う。代償としてそれが果たされなければ、俺に呪いが返ってくるがね……未知のものに対する対応は見事なものだったが、おかしいとは思わないか? お前が、黒い大蛇を退けたというのに、竜騎士は出て来ない。それは、出て来れないからだ」
カイルは、滔々と謳うようにそう言った。作戦として一度砦の中に引いたとしても、その危機が無事に去った今、竜に乗り誰かが様子を見に飛んで来ても良いはずなのに誰も上空へ上がって来ない。
「……まさか」
「だから、お前には何を出来ないと言った。俺たちは、お前が奪われてから十二分に時間を掛けた。何も知らずに用意も出来ていなかったヴェリエフェンディの竜騎士たちに、対抗出来るかどうか見物だ」
「お前にはわかっていると思うが、あれも異世界から来たものだ。とても扱い難い黒い大蛇は、とある特殊な魔法を使うことが出来る。喚び出した俺があれに命を下せば、その対象を呪う。代償としてそれが果たされなければ、俺に呪いが返ってくるがね……未知のものに対する対応は見事なものだったが、おかしいとは思わないか? お前が、黒い大蛇を退けたというのに、竜騎士は出て来ない。それは、出て来れないからだ」
カイルは、滔々と謳うようにそう言った。作戦として一度砦の中に引いたとしても、その危機が無事に去った今、竜に乗り誰かが様子を見に飛んで来ても良いはずなのに誰も上空へ上がって来ない。
「……まさか」
「だから、お前には何を出来ないと言った。俺たちは、お前が奪われてから十二分に時間を掛けた。何も知らずに用意も出来ていなかったヴェリエフェンディの竜騎士たちに、対抗出来るかどうか見物だ」