鎖に繋がれた月姫は自分だけに跪く竜騎士団長に焦がれてやまない
「……もうっ……縁起でもない事を、言わないでくださいっ……」
怒った顔をしたオデットに、キースは楽しげに笑った。
「はは。これは無事に助かったからこそ言える、いつもの面白くない冗談だ……だが、あのいきなり輝いた眩い白い光は一体、なんだったんだ? あの後には、何故か砦からも出られるようになっていた。それまで何をしても、無理だったのに」
キースは、不思議そうだった。彼の竜からは、聞いただけではオデットに起こった事を全て理解して居ないのかもしれない。
(……そういえば、セドリックって本当に自分がしなくて良いことはしない主義なんだよね。物ぐさって言うか。もう。私が自分でキースに説明すれば良いって、思ったのかな……)
寡黙な性格のセドリックは、自分の口から出てくる言葉を出来るだけ減らしたい気持ちがあるらしい。心の中でも無口だと言われているから、その拘りは相当なものなのかもしれない。
「あの……どうか、驚かないでください。私、月の女神様とお話しすることが出来ました」
◇◆◇
怒った顔をしたオデットに、キースは楽しげに笑った。
「はは。これは無事に助かったからこそ言える、いつもの面白くない冗談だ……だが、あのいきなり輝いた眩い白い光は一体、なんだったんだ? あの後には、何故か砦からも出られるようになっていた。それまで何をしても、無理だったのに」
キースは、不思議そうだった。彼の竜からは、聞いただけではオデットに起こった事を全て理解して居ないのかもしれない。
(……そういえば、セドリックって本当に自分がしなくて良いことはしない主義なんだよね。物ぐさって言うか。もう。私が自分でキースに説明すれば良いって、思ったのかな……)
寡黙な性格のセドリックは、自分の口から出てくる言葉を出来るだけ減らしたい気持ちがあるらしい。心の中でも無口だと言われているから、その拘りは相当なものなのかもしれない。
「あの……どうか、驚かないでください。私、月の女神様とお話しすることが出来ました」
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