鎖に繋がれた月姫は自分だけに跪く竜騎士団長に焦がれてやまない
光に包まれたその瞬間涼やかな声は、唐突にオデットの頭の中に響いた。神に近い種族上位竜であるイクエイアスと話した時のように、空気を震わせる音もなく聞こえてくる不思議な声。
(私の可愛い女の子。ようやく、こうして話し掛けてくれましたね)
声は、嬉しそうでも楽しそうでもあった。
「女神様!? お願い。皆を助けたいの! お願い! 力を貸してください……お願いします!」
頭の中にだけ響く声は、闇に垣間見えた一筋の光に見えた。もしかしたら、このまま絶望に向かってしまうかもしれない道筋が、これで方向転換出来るかもしれない。
姿が見えぬ声の主に祈りを捧げるように、オデットは両手を組んで祈った。
(落ち着きなさい……でも、私を今まで嫌っていたでしょう。随分と虫の良い話だと、思わない? 願いを叶えてくれる私のことが、嫌いなんでしょう?)
揶揄うような言葉は、別に本気ではなさそうだった。だが、嫌っていた本人にそう言われてしまえば、それを知られていたオデットは、居た堪れない気持ちで一杯になった。
オデットは大きく息を吸い込み息を整えてから、彼女へ向けて声を出した。
(私の可愛い女の子。ようやく、こうして話し掛けてくれましたね)
声は、嬉しそうでも楽しそうでもあった。
「女神様!? お願い。皆を助けたいの! お願い! 力を貸してください……お願いします!」
頭の中にだけ響く声は、闇に垣間見えた一筋の光に見えた。もしかしたら、このまま絶望に向かってしまうかもしれない道筋が、これで方向転換出来るかもしれない。
姿が見えぬ声の主に祈りを捧げるように、オデットは両手を組んで祈った。
(落ち着きなさい……でも、私を今まで嫌っていたでしょう。随分と虫の良い話だと、思わない? 願いを叶えてくれる私のことが、嫌いなんでしょう?)
揶揄うような言葉は、別に本気ではなさそうだった。だが、嫌っていた本人にそう言われてしまえば、それを知られていたオデットは、居た堪れない気持ちで一杯になった。
オデットは大きく息を吸い込み息を整えてから、彼女へ向けて声を出した。