鎖に繋がれた月姫は自分だけに跪く竜騎士団長に焦がれてやまない
28 帰宅
「……という訳で、私は今のところ……治癒をする能力は、使えなくなってしまったんです。いつまでになるかと言うのも……わからなくて」
オデット達が開戦直前だった砦での後始末を終えてようやく家に帰れたのは、結局明くる日の夜になった。
砦での防衛を担当していた指揮官とキースは、敗走して行ったガヴェアの部隊がどう動くかを警戒を緩めずに、この先の展開を考えていたようだった。
完全に予想外で未知の存在だった大蛇に似た生き物への対抗策を全く取れないままだった事もあり、またこの後も何かを仕掛けて来るのではないかと穿った見方をしてしまうのは、仕方ないことだった。
時間を掛け様子を見た結果、慌てふためき自国へと帰っていく彼らからは何の作為も感じられず、これならば当分は砦も安全だろうと判断したキースは、ヴェリエフェンディの王都へと部下の部隊を引き連れて帰ることを決めた。
オデット達が開戦直前だった砦での後始末を終えてようやく家に帰れたのは、結局明くる日の夜になった。
砦での防衛を担当していた指揮官とキースは、敗走して行ったガヴェアの部隊がどう動くかを警戒を緩めずに、この先の展開を考えていたようだった。
完全に予想外で未知の存在だった大蛇に似た生き物への対抗策を全く取れないままだった事もあり、またこの後も何かを仕掛けて来るのではないかと穿った見方をしてしまうのは、仕方ないことだった。
時間を掛け様子を見た結果、慌てふためき自国へと帰っていく彼らからは何の作為も感じられず、これならば当分は砦も安全だろうと判断したキースは、ヴェリエフェンディの王都へと部下の部隊を引き連れて帰ることを決めた。