鎖に繋がれた月姫は自分だけに跪く竜騎士団長に焦がれてやまない
05 紙袋
朝起きて、オデットがキースと通いのメイドが用意してくれたと思わしき朝食を食べていた時に、その人は現れた。
「……俺に、使いっ走りをさせんなよ」
足音を鳴らして誰かが入って来たとオデットが顔を上げると、黒髪のアイザックと呼ばれていた竜騎士がそこに居て、不機嫌そうに精悍な顔を顰めている。
特に留守居を呼びかけることもなく、扉を開け勝手に入って来た様子からキースとは相当親しい関係性だと思われた。その右腕には、何故か大きな紙袋を抱えている。
温かなお茶を飲んでいたオデットは彼の登場に驚き目を瞬かせてから、目の前に居たキースに目を向けた。
「流石。アイザックは仕事が早いな。私用で部下を使ったら、職権濫用になるだろ」
「俺もお前の部下だと言うなら、そうだろう?」
アイザックは食卓の上に紙袋を置いて、ドサリと音を立てて空いている椅子に腰掛けた。キースは傍若無人な様子を見ても頓着することなく、小さく千切ったパンの欠片を口に放り込んだ。
「……俺に、使いっ走りをさせんなよ」
足音を鳴らして誰かが入って来たとオデットが顔を上げると、黒髪のアイザックと呼ばれていた竜騎士がそこに居て、不機嫌そうに精悍な顔を顰めている。
特に留守居を呼びかけることもなく、扉を開け勝手に入って来た様子からキースとは相当親しい関係性だと思われた。その右腕には、何故か大きな紙袋を抱えている。
温かなお茶を飲んでいたオデットは彼の登場に驚き目を瞬かせてから、目の前に居たキースに目を向けた。
「流石。アイザックは仕事が早いな。私用で部下を使ったら、職権濫用になるだろ」
「俺もお前の部下だと言うなら、そうだろう?」
アイザックは食卓の上に紙袋を置いて、ドサリと音を立てて空いている椅子に腰掛けた。キースは傍若無人な様子を見ても頓着することなく、小さく千切ったパンの欠片を口に放り込んだ。