鎖に繋がれた月姫は自分だけに跪く竜騎士団長に焦がれてやまない
07 鎖
家に帰ってみれば、キースは玄関のところで壁際に立っていた。きっと、オデットのことを待っていてくれたのだ。すぐに見て取れるほどにホッとした表情で、息をついた。
飛び出したオデットがたどり着いたのは、この家からすぐ近くの公園だ。自分の竜を迎えに行かせたというのに、彼は姿を見るまでは心配で安心出来なかったらしい。
「……おかえり」
「たっ……ただいま、戻りましたっ」
こうして誰かにおかえりと出迎えられた事がなかったオデットは、慌てて彼に応えた。
「ふはっ……何もなく帰って来てくれて、良かった。ほら、お腹すいただろ? 夕飯を食べよう」
役目は済んだとばかりに何処かに去って行ったセドリックが言ってくれたように、キースは先ほどの事を蒸し返して何かを責めたりなんてしなかった。
まるで何事もなかったように職場でアイザックが不注意で書類の山を倒して、部下に怒られていた話をしてくれた。
飛び出したオデットがたどり着いたのは、この家からすぐ近くの公園だ。自分の竜を迎えに行かせたというのに、彼は姿を見るまでは心配で安心出来なかったらしい。
「……おかえり」
「たっ……ただいま、戻りましたっ」
こうして誰かにおかえりと出迎えられた事がなかったオデットは、慌てて彼に応えた。
「ふはっ……何もなく帰って来てくれて、良かった。ほら、お腹すいただろ? 夕飯を食べよう」
役目は済んだとばかりに何処かに去って行ったセドリックが言ってくれたように、キースは先ほどの事を蒸し返して何かを責めたりなんてしなかった。
まるで何事もなかったように職場でアイザックが不注意で書類の山を倒して、部下に怒られていた話をしてくれた。