鎖に繋がれた月姫は自分だけに跪く竜騎士団長に焦がれてやまない
(え……竜騎士って、美男子揃いだとは聞いていたけど……何この人……)
オデットは、幼い頃から訳あって上流階級の男性に接することが多かった。
上流階級、特に貴族は顔の造作が整っている事が多い。何故かというと、大いなる権力を手にしている彼らは、候補者の中から選りすぐりの美しい妻を娶ることが多い。
そして、美しく整った容貌の遺伝を凝縮したかのような後継となるのは、しごく当たり前のことだった。
だが、目の前の彼はそんなオデットが今まで見たこともないような、目の覚めるような造作に短い銀髪。磨き上げた宝石を嵌め込んだような、珍しい紫の瞳。
(なんて……綺麗な……)
「おいおい。大丈夫か……? 頭でも、打ったか?」
間近に居る彼の表情が眉を寄せどこか深刻な様子になり、見惚れていただけのオデットは意味もなく両手を上げて慌てふためいた。
「だっ……大丈夫です! ありがとうございました。あれは……鉄巨人。魔法使いの召喚の術により招かれた、遠い異世界の住人です」
オデットは、早鐘を打つ胸を押さえて出来るだけ平静を装って話した。
オデットは、幼い頃から訳あって上流階級の男性に接することが多かった。
上流階級、特に貴族は顔の造作が整っている事が多い。何故かというと、大いなる権力を手にしている彼らは、候補者の中から選りすぐりの美しい妻を娶ることが多い。
そして、美しく整った容貌の遺伝を凝縮したかのような後継となるのは、しごく当たり前のことだった。
だが、目の前の彼はそんなオデットが今まで見たこともないような、目の覚めるような造作に短い銀髪。磨き上げた宝石を嵌め込んだような、珍しい紫の瞳。
(なんて……綺麗な……)
「おいおい。大丈夫か……? 頭でも、打ったか?」
間近に居る彼の表情が眉を寄せどこか深刻な様子になり、見惚れていただけのオデットは意味もなく両手を上げて慌てふためいた。
「だっ……大丈夫です! ありがとうございました。あれは……鉄巨人。魔法使いの召喚の術により招かれた、遠い異世界の住人です」
オデットは、早鐘を打つ胸を押さえて出来るだけ平静を装って話した。