鎖に繋がれた月姫は自分だけに跪く竜騎士団長に焦がれてやまない
アイザックは耳を傾けようと、上半身を乗り出した。
「あ、あのっ。私の持っている能力は……もしかしたら、処女性が大事なのではないかとずっと、思われてまして。男性とそういう事をしてしまえば、能力が消えてしまうのではないかと言われていました。だから……その」
「なるほど。今は君は処女で、あいつとやれば……その能力は消えてしまうのか」
机に肘をついて、アイザックは難しい表情になった。
彼の言うようにキースのような全てを持つ男性と付き合ったり結婚出来ると周囲に納得されるには、稀有な能力を持っていた方が良いだろう。だが、彼と結婚して消えてしまえば、それは何の意味もない。
全く遠慮のないアイザックの直接的な言い方に、オデットはまた顔を赤くしてぼそぼそと話した。
「確かな事では、ありません。何分、私のように神の加護持ちの人間が少ないので……そうなればどうなるかが、わからなくて……」
「じゃあ、一回やってみれば良いんじゃないか? 処女でないと良いのなら……」
「アイザック!」
アイザックが何かを提案しようとした時に、家主であるキースの大きな声がして二人は出入り口の方を見た。
「オデットが、何も知らないと思って……俺のいないところで、何をしてるんだ。殺すぞ」
思わぬ彼の帰宅に驚いた二人が何も言えない中で、険悪な表情になったキースの底冷えのするような声が居間に響いた。
「あ、あのっ。私の持っている能力は……もしかしたら、処女性が大事なのではないかとずっと、思われてまして。男性とそういう事をしてしまえば、能力が消えてしまうのではないかと言われていました。だから……その」
「なるほど。今は君は処女で、あいつとやれば……その能力は消えてしまうのか」
机に肘をついて、アイザックは難しい表情になった。
彼の言うようにキースのような全てを持つ男性と付き合ったり結婚出来ると周囲に納得されるには、稀有な能力を持っていた方が良いだろう。だが、彼と結婚して消えてしまえば、それは何の意味もない。
全く遠慮のないアイザックの直接的な言い方に、オデットはまた顔を赤くしてぼそぼそと話した。
「確かな事では、ありません。何分、私のように神の加護持ちの人間が少ないので……そうなればどうなるかが、わからなくて……」
「じゃあ、一回やってみれば良いんじゃないか? 処女でないと良いのなら……」
「アイザック!」
アイザックが何かを提案しようとした時に、家主であるキースの大きな声がして二人は出入り口の方を見た。
「オデットが、何も知らないと思って……俺のいないところで、何をしてるんだ。殺すぞ」
思わぬ彼の帰宅に驚いた二人が何も言えない中で、険悪な表情になったキースの底冷えのするような声が居間に響いた。