鎖に繋がれた月姫は自分だけに跪く竜騎士団長に焦がれてやまない
「私、キース様の傷を癒したかったんです。勝手な事をしてしまって、本当にごめんなさい……」
「俺の傷を……? だが」
「はい。私……部下の方に月魔法を使用したので、月光を浴びたら回復するんです。だから……」
「はは。そうか。それで、月姫なのか……なんか、納得した」
オデットの持つ不思議な能力と二つ名のいわれに納得してか、間近にまで顔を寄せたキースはどこか面白そうな顔をして笑った。
(あ……笑ってくれた……良かった)
さっきまで不機嫌だったキースがそうして笑ってくれた事が嬉しくて、オデットが笑うと彼は紫の目を細めた。
「俺は、月のように美しいからなのかと思っていた」
いつものようにさらりと紡がれた言葉を聞いて、オデットは何も言えなかった。冗談を言ってと、そこで笑い飛ばせば良かったのかもしれない。けれど、それは出来なかった。彼の紫色の目は今までに見たこともないくらいに、とても真剣だったから。
「月の光を浴びて、能力を回復させるのか……なるほど。だから、そういう理由で……日に何度も使えると言う訳ではないんだな……」
「俺の傷を……? だが」
「はい。私……部下の方に月魔法を使用したので、月光を浴びたら回復するんです。だから……」
「はは。そうか。それで、月姫なのか……なんか、納得した」
オデットの持つ不思議な能力と二つ名のいわれに納得してか、間近にまで顔を寄せたキースはどこか面白そうな顔をして笑った。
(あ……笑ってくれた……良かった)
さっきまで不機嫌だったキースがそうして笑ってくれた事が嬉しくて、オデットが笑うと彼は紫の目を細めた。
「俺は、月のように美しいからなのかと思っていた」
いつものようにさらりと紡がれた言葉を聞いて、オデットは何も言えなかった。冗談を言ってと、そこで笑い飛ばせば良かったのかもしれない。けれど、それは出来なかった。彼の紫色の目は今までに見たこともないくらいに、とても真剣だったから。
「月の光を浴びて、能力を回復させるのか……なるほど。だから、そういう理由で……日に何度も使えると言う訳ではないんだな……」