鎖に繋がれた月姫は自分だけに跪く竜騎士団長に焦がれてやまない
「……あの、私。キース様が好きです。辛い境遇から連れ出して守ってくれたという感謝の気持ちだけではなくて、とても尊敬もしていますし……でも、今日攫われたと思った時に、貴方ともう会えなくなる事が、一番辛いと思ったんです。私に対して庇護すべき子ども以上の気持ちがあるのなら、私を恋人にしてください」

 真っ直ぐにキースを見つめてそう言ったオデットに、キースは驚いていた顔をパッと変えて笑った。

「ふはっ。これはこれは。豪気なお姫様が、居たもんだ。こう来るとは、俺も……全く予想もつかなかった。やられたわ。あー……そう。だが、俺がそれを言うのかと思ってたのに。不意打ちで、先を越されたなー……」

「返事、してください」

 彼の気持ちも早く言って欲しいと訴えたオデットを安心させるように、キースは腕の中に彼女を閉じ込めた。

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