だって、君は俺の妻だから~クールな御曹司は雇われ妻を生涯愛し抜く~
目まぐるしい一日だったな、と思いながら今日を振り返る。
朝から久志さんと会って、久弥さんと伯父さまの関係を聞かされて、パーティーに出席するための服を買うため久弥さんと買い物に出かけて、ご飯を一緒に食べて……。
「瑠衣は指輪が好きじゃないのか?」
不意に問いかけられ我に返る。久弥さんが私の左手を取るので、すぐに結婚指輪についてだと悟った。
「あ、いいえ。すみません。パーティーではちゃんとつけますから」
フォーマルな場で、かつ彼の妻として出席するなら結婚指輪は必須だろう。忘れずにつけないと。
「そうじゃなくて、普段使いはしないのか?」
甲の上から指を絡めるようにして手を握られる。重ねられた彼の左手の薬指には、きちんと結婚指輪がはめられていた。
「それは……」
今まで特段指摘されなかったし意識していなかったけれど、贈られた結婚指輪を常につけないのは失礼だっただろうか。
「ごめんなさい。なくしたら怖いなって」
おずおずと白状して謝罪する私に、久弥さんは抱きしめる力を強める。
「謝らなくていい。なくしたらまた用意する」
「そんな、安い買い物じゃないんですから」
久弥さんにとっては、結婚指輪も結婚における必要アイテムくらいの扱いなのかもしれない。実は指輪が少しだけ緩いと伝えたら、速攻で新しいものを用意すると言うに違いないだろうから、ますます告げられなくなる。
朝から久志さんと会って、久弥さんと伯父さまの関係を聞かされて、パーティーに出席するための服を買うため久弥さんと買い物に出かけて、ご飯を一緒に食べて……。
「瑠衣は指輪が好きじゃないのか?」
不意に問いかけられ我に返る。久弥さんが私の左手を取るので、すぐに結婚指輪についてだと悟った。
「あ、いいえ。すみません。パーティーではちゃんとつけますから」
フォーマルな場で、かつ彼の妻として出席するなら結婚指輪は必須だろう。忘れずにつけないと。
「そうじゃなくて、普段使いはしないのか?」
甲の上から指を絡めるようにして手を握られる。重ねられた彼の左手の薬指には、きちんと結婚指輪がはめられていた。
「それは……」
今まで特段指摘されなかったし意識していなかったけれど、贈られた結婚指輪を常につけないのは失礼だっただろうか。
「ごめんなさい。なくしたら怖いなって」
おずおずと白状して謝罪する私に、久弥さんは抱きしめる力を強める。
「謝らなくていい。なくしたらまた用意する」
「そんな、安い買い物じゃないんですから」
久弥さんにとっては、結婚指輪も結婚における必要アイテムくらいの扱いなのかもしれない。実は指輪が少しだけ緩いと伝えたら、速攻で新しいものを用意すると言うに違いないだろうから、ますます告げられなくなる。