だって、君は俺の妻だから~クールな御曹司は雇われ妻を生涯愛し抜く~
「触るな」
そこで第三者の声が割って入り、町原くんが驚いた表情になるのと同時に背後から肩を強く抱き寄せられた。
体が傾き、よろけそうになったがすぐに逞しい腕に支えられる。
「久弥さん」
顔を上げ、現れた人物の名前を無意識に呼んだ。しかし彼の目は私ではなく、町原くんを見据えている。
「気安く妻に触らないでもらえますか?」
「妻って……」
有沢さんから私たちの関係を聞いている町原くんとしては、この状況に納得できないのだろう。
なにか言わないと、と久弥さんをちらりと見上げたら、彼の形のいい唇が動いた。
「彼女を散々傷つけてそのままにしておいたくせに、なにをまた自分の都合で振り回そうとしているんだ? あとから謝罪するだけならいくらでもできる。でもそれは自分が楽になりたいだけで相手のためじゃない。君がすべきは、高校のときもパーティーで会ったときも、その場で瑠衣の味方になって守ってやることだったんだ。これからなんて、もうない」
久弥さんの言葉に、心の中が大きく揺れてざわめく。言われた本人にも相当効いたのだろう。あからさまに町原くんは動揺と不快さを顔に出した。
「な、なんだよ。俺はただ」
「町原くん」
彼の発言を遮り、私は久弥さんの腕をそっと振りほどいて彼と真正面から向き合った。
そこで第三者の声が割って入り、町原くんが驚いた表情になるのと同時に背後から肩を強く抱き寄せられた。
体が傾き、よろけそうになったがすぐに逞しい腕に支えられる。
「久弥さん」
顔を上げ、現れた人物の名前を無意識に呼んだ。しかし彼の目は私ではなく、町原くんを見据えている。
「気安く妻に触らないでもらえますか?」
「妻って……」
有沢さんから私たちの関係を聞いている町原くんとしては、この状況に納得できないのだろう。
なにか言わないと、と久弥さんをちらりと見上げたら、彼の形のいい唇が動いた。
「彼女を散々傷つけてそのままにしておいたくせに、なにをまた自分の都合で振り回そうとしているんだ? あとから謝罪するだけならいくらでもできる。でもそれは自分が楽になりたいだけで相手のためじゃない。君がすべきは、高校のときもパーティーで会ったときも、その場で瑠衣の味方になって守ってやることだったんだ。これからなんて、もうない」
久弥さんの言葉に、心の中が大きく揺れてざわめく。言われた本人にも相当効いたのだろう。あからさまに町原くんは動揺と不快さを顔に出した。
「な、なんだよ。俺はただ」
「町原くん」
彼の発言を遮り、私は久弥さんの腕をそっと振りほどいて彼と真正面から向き合った。