だって、君は俺の妻だから~クールな御曹司は雇われ妻を生涯愛し抜く~
多少なりともTOGAコーポレーションと似たし業界に身を置いているのは、きっと久弥さん自身が久則前社長や光子さんを通してTOGAコーポレーションを見てきたのが影響しているのに違いない。
「もともと、異性に対しても、跡継ぎの件についても、なにかを必死で求めるとか、そこまでの執着は持てなかったんだ。両親を亡くしている影響も大きいんだろうが、これは性分だって諦めていた」
そこまで言いきり、久弥さんが改めて私と目を合わせてくる。じっと見つめられ、彼はふっと笑った。
「そこに瑠衣が現れて……いつのまにか瑠衣がそばにいるのが心地よくなっていった。手放したくない、俺が心から欲しいと思ったのは瑠衣だけなんだ」
真正面から久弥さんの言葉を受けて気の利いた返しをしたいのに、胸が詰まって声にならない。
そこでふと昨日の光子さんとのやりとりを思い出す。有沢さんから私の過去を好き勝手言われ、結婚の裏事情まで邪推されて、ほぼ事実に近いことを光子さんに暴露されてしまった。
『瑠衣さん』
光子さんに名前を呼ばれ、まともに彼女の顔が見られなかった。久弥さんとの結婚については、言い返せないところもあったから。
なにを言われても受け止めるしかない。
「もともと、異性に対しても、跡継ぎの件についても、なにかを必死で求めるとか、そこまでの執着は持てなかったんだ。両親を亡くしている影響も大きいんだろうが、これは性分だって諦めていた」
そこまで言いきり、久弥さんが改めて私と目を合わせてくる。じっと見つめられ、彼はふっと笑った。
「そこに瑠衣が現れて……いつのまにか瑠衣がそばにいるのが心地よくなっていった。手放したくない、俺が心から欲しいと思ったのは瑠衣だけなんだ」
真正面から久弥さんの言葉を受けて気の利いた返しをしたいのに、胸が詰まって声にならない。
そこでふと昨日の光子さんとのやりとりを思い出す。有沢さんから私の過去を好き勝手言われ、結婚の裏事情まで邪推されて、ほぼ事実に近いことを光子さんに暴露されてしまった。
『瑠衣さん』
光子さんに名前を呼ばれ、まともに彼女の顔が見られなかった。久弥さんとの結婚については、言い返せないところもあったから。
なにを言われても受け止めるしかない。