だって、君は俺の妻だから~クールな御曹司は雇われ妻を生涯愛し抜く~
「私、必ず久弥さんを幸せにしてみせますから」
突然の宣言に久弥さんは、ちらりとこちらを一瞥する。運転中とはいえ、彼からなにも反応がないので、少しだけ居たたまれない気持ちになった。
なにか補足すべきだろうかと口を開こうとしたら、車が停止する。再び横を向いたら困惑気味の久弥さんと目が合った。
「それは俺の台詞だ」
真剣な面持ちでさらりと告げ、彼は私の左手に手を伸ばす。
「俺が瑠衣を必ず幸せにしてみせるから」
もう十分幸せですよ、と返したいのに声にならない。私の左手の薬指では、サイズがぴったりの新しい結婚指輪がきらりと輝き、彼の左手の薬指にも同じデザインの指輪がはめられている。
くすぐったくて嬉しくて、今でも夢なんじゃないかって思うときがある。そのたびに久弥さんは、現実なんだって実感させてくれる。
ありのままの私を受け止めて愛してくれる久弥さんを、私もそばで支えてずっと大切にしたい。誰よりも好きだから、本物の夫婦となった証をこれからも少しずつ増やしていきたい。
久弥さんのそばにいられる幸せを噛みしめながら、触れられた彼の手を笑顔でぎゅっと握り返した。
Fin
ここまで読んでくださりありがとうございました!
こちらベリーズ文庫4月刊で書籍化予定です。
書籍版では結婚式当日の様子など、久弥目線の番外編をがっつり1万字以上書き下ろしているので、合わせて楽しんでいただけると幸いです。
それではまた、違う物語でお会いできることを願って。
突然の宣言に久弥さんは、ちらりとこちらを一瞥する。運転中とはいえ、彼からなにも反応がないので、少しだけ居たたまれない気持ちになった。
なにか補足すべきだろうかと口を開こうとしたら、車が停止する。再び横を向いたら困惑気味の久弥さんと目が合った。
「それは俺の台詞だ」
真剣な面持ちでさらりと告げ、彼は私の左手に手を伸ばす。
「俺が瑠衣を必ず幸せにしてみせるから」
もう十分幸せですよ、と返したいのに声にならない。私の左手の薬指では、サイズがぴったりの新しい結婚指輪がきらりと輝き、彼の左手の薬指にも同じデザインの指輪がはめられている。
くすぐったくて嬉しくて、今でも夢なんじゃないかって思うときがある。そのたびに久弥さんは、現実なんだって実感させてくれる。
ありのままの私を受け止めて愛してくれる久弥さんを、私もそばで支えてずっと大切にしたい。誰よりも好きだから、本物の夫婦となった証をこれからも少しずつ増やしていきたい。
久弥さんのそばにいられる幸せを噛みしめながら、触れられた彼の手を笑顔でぎゅっと握り返した。
Fin
ここまで読んでくださりありがとうございました!
こちらベリーズ文庫4月刊で書籍化予定です。
書籍版では結婚式当日の様子など、久弥目線の番外編をがっつり1万字以上書き下ろしているので、合わせて楽しんでいただけると幸いです。
それではまた、違う物語でお会いできることを願って。