君とふたりで。





──中3の始め頃。



受験なんてものは全く考えていなかったあたし。



厳しかった部活も終わり、かなり気が緩んでいたこの時期。



友達と一緒に遊び回っていた。



しばらく遊んで満喫した後、暗くなる頃に帰路についた。



友達とは逆方向の帰り道なので、適当な所で別れる。



暗い夜道。


誰か人がいれば安心なんだけど、あいにく人気のない細い道。



重度のビビリなあたしは、早足で歩いていた。



ドキドキしながら歩いていると、前から人影が見える。



ただの交通人だと思い、俯いてそのまま通り過ぎようとすると…




─ドンッ




「!」




前から来たその人にぶつかった。


というより、あっちからぶつかってきたって感じだった。




「…す、すいません」




謝って再び歩き出したんだけど。




「ってぇなぁ…。てめぇ、それで謝ってるつもりかよ!!?」




その人は、運悪くガラの悪い不良だった…。


酒を飲んでいるらしく、あんまり呂律が回っていない。



あたしはこーゆう人…というより、“男”に免疫がない。




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