君とふたりで。
必死に謝るけれど、帰らせてくれる気配はない。
普通ならあっちが謝るべきだと考える余裕もなく。
ただ、今置かれている自分の状況から早く解放されたくて。
何度も謝るがそれも虚しく…
「ふざけんなよクソガキ!!」
あたしをそんな状況に陥れている男が、ズンズンと向かってきた時だった。
「道のど真ん中で叫んでんじゃねーよ」
あたしの背後から別の男の声がした。
「ぁあ!? 誰だよてめぇ!!」
恐怖で固まっていたあたしは、声のした方を振り向くことが出来なくて。
不良の足元に視線を落としているだけだった。
後ろから来た男の人はあたしを庇うように、不良の前に立つ。
暗くてよく分からないが、おそらく背は高い。
「てめぇは関係ねぇだろ! 引っ込んでろよ!!」
「──あ"?」