君とふたりで。
3年じゃなく、あたし達の1つ上の2年らしい…。
冴えないと言っているけれど、派手な人はたくさんいた気がする。
その3年生も大したことがないと錯覚してしまうほど、大きな存在なんだろう。
ただ眺めることしか出来ないあたし。
こんなあたしが昨日話しかけられたと思うと…
今更ながら驚きだ。
授業中のあの騒動はどうにか収まり、何事もなく1日が終わった。
…いや。
終わる、はずだった。
放課後になり、正門近くにあるチャリ置き場に足を運ぶ。
中学気分がまだ完全に抜けないせいだろう。
チャリ置き場にバイクや改造単車があることに、違和感を覚える。
よくあたしなんかがこの不良校に来たものだ。
はぁ、と溜め息を1つつき自分の自転車を探す。
「なぁなぁ!! これからどっか行く!?」
……聞き覚えのある、大きな声。
「えー今から?」
「今じゃなきゃいつなんだよ!」
…見なかったことにしよう作戦、再び。
まさか同じ人達に使うとは。