君とふたりで。
「ただいまー!」
軽いノリであの溜まり場に入っていく彼の背中を追う。
薄暗い溜まり場には明るい電灯が1つだけあった。
そのおかげで、俗に言う“不良”の姿がはっきりと映し出されていた。
どーせなら、姿なんか見えない方が良かった。
そうすれば、こんなビビらなくて済むのに。
「あれ〜?? 後ろの女…」
「会ったから拉致ってきた!」
「こ…こんばんはっ」
「「こんばんはぁ〜」」
挨拶を返してくれたことで少しホッとする。
「まぁまず紹介だけするわ。
その金髪が〜──…」
3人の紹介をした後、
「んで、俺が裕矢。呼び捨てため語で全然いーんで!」
「えっ? それは無理です!! 先輩だし…」
言い続けたけどどっちも譲らず…結局あたしが折れ、“裕矢くん”と呼び、ため語にするはめになった。
違和感はあるけど、少しずつ慣れていけば?…って。
1人だけ浮いているあたしは、彼らの話に苦笑いしながら頷くだけだった。
そしてしばらく経った頃。
「あっ! ハル呼ばねぇ?」