君とふたりで。
変化
「もーすぐ体育祭だぁ〜!!」
教室で大きな声を出す香織を
…あたしは尊敬する。
みんなの前で大声出せる、ってゆーのもあるけど、体育祭でそんなにテンションが上がることが。
「ちょっと落ち着きなよ」
「だって楽しみじゃーん♪ いつもの堅苦しい校則を考えずに盛り上がれるんだよ!?」
香織が言うように…
F高の校則は厳しい。
髪の染色・脱色禁止
ピアスなどのアクセサリー禁止
化粧禁止
バイトは学校の許可をもらう
制服は第2ボタンまで締める
などなど。
他の学校に比べるとやたら細かいと思うんだけど。あたしだけ?
来る生徒が生徒だし仕方ないことなのかな。
「…てか香織。校則関係なくない?」
髪茶色に染めてるし。
耳にピアスの穴開けてるし。
「まぁまぁ気にしない♪」
「咲良はそのままなの?」
唯はあたしの方に目を向けると、頭から爪先にかけて視線を落とした。
“真面目”としか言いようのない地味な格好。