君とふたりで。



心の中で溜め息混じりに呟き、携帯を開く。



昨日の夜、お誘い?があった。



あたしはなんとなく携帯のメールボックスを開いて、そのメールを確認する。




  From:沢田 一紀

  明日近くの公園で
  話さない?




「………」




うん。嫌じゃないよ。


嫌じゃないけど…
付き合ってないから、2人で会うことに抵抗がある。



しかも、こんなガサツで男勝りな女が男といるって。


あたし自身違和感ありまくりだよ。




でも一紀さんはいい人だから、誘われても悪い気はしなくて。



たった3日間でも、仲良くなれたから。




あたしは支度をして玄関に向かった。




「ねぇねぇ、先輩どこー!?」


「さっきバイクで走っていったって聞いたんだけど──」


「帰ったのー!?」




ローファーを履き、潰れた踵を直す。



そんな時にまで、あの人の話が聞こえる。




追っかけ大変そう




そんなに騒がれる人なのにいる場所分かんないなんて…

どーゆうことなんだ。




「…行った?」


「行った行った。みんな消えた」




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