君とふたりで。
……? ん??
なんか今後ろから声が…。
「あー疲れたっ」
「!?」
人間は、びっくりすると声すら出なくなる。
誰もいなかったはずの背後に突然人が現れ、あたしは絶句。
「追っかけっておっそろしーな」
「だよなぁ〜いくら俺がかっこいいからって…」
「裕矢じゃないから」
…えーと。
「おっ咲良! 元気してたか!?」
目の前にはおちゃらけた裕矢くんと…
落ち着いた雰囲気の男の人がいた。
髪は茶色。
見たことない人だと思ったが、当たり前だ。
他校の制服を着ていたんだから。
「あ、そーだ。ハル知らない??」
“ハル”…?
一瞬誰のことかと思ったが、すぐにあの人だと分かった。
「いや…見てない…」
「またどっか行ったのかよ〜こっちの気も知らねーで!」
「まぁすぐ見つかるだろうな」
「今度ハルに首輪でも付けねー?野良猫は気まぐれで困る!!」
「“あの”野良猫に首輪は無理だろ?」
「…それもそーだ」
2人はよく意味の分からないことを言っている。