君とふたりで。



「あっ来た来た♪」




約束していた場所──学校の近くの公園。


徒歩2分くらいの所にある。



遊具は充実していて遊びがいがありそうだ。


そのわりに子どもはいなくてガランとしていた。




「遅くなってすいません…」


「いいって! 俺がお願いしたんだし」




一紀さんはニコッと笑顔を作り、ベンチに座るよう促した。


それに従う。


教訓を活かし、少し間を空けて。



気付いたか気付かないかは分からないが、一紀さんは苦笑い気味。




「つーか天気いーねぇ」




そんな他愛ないことから会話が始まる。



徐々に慣れてきたとはいえ、1日2日ではまだぎこちない。



さっきの出来事もあってか、さらに挙動不審になっている。



“ハルさん”、前に聞いた時より声低かった。機嫌悪かったからか。



上の空だったあたしは、「聞いてる?」という問い掛けでハッと我に返った。




「あっ…ごめんなさい」


「今日おかしくない? いつも変だけど」


「ちょ、それ酷くないですか!?」




こうやって冗談を言ってくれるのは大変助かる。




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