君とふたりで。



女友達といる時みたいに話せるから。




「ねぇねぇ、咲良って今まで付き合ったことないの??」


「え!? いきなりそれですか」


「いやーなんか純粋そうってか、汚れを知らない感じ」




汚れ…?? って、なんだろ。



あたしは全然気にも留めず続きを待った。




「告られたことはないの!?」


「…あぁ〜…1回だけ」




中3の時に。小学校から同じだった男子で。


その人だけとは女友達以上に仲良くしていた。…って、言い方に少し語弊があるけども。



今はお互い連絡先も知らなくて、どう過ごしているのかは分からない。


知っているのはその人の行った高校の名前くらい。



懐かしいな〜。今思えばあれが最初で最後の告白だったのかもねー。


自分から告るとかこれから先もないだろーし。




「じゃあタイプは??」




思い出に浸る間もなく次の質問が来る。



なんか必要以上に聞いてくるなぁ。



──…まさかな。
自惚れもいいとこだ。

免疫ないからって舞い上がるなよ自分!!



と己にツッコんだところで、質問の答えを考える。




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