君とふたりで。



「タイプ…?」


「顔とか性格とか色々あんじゃん」




………。


自分のタイプがいまいち分からない。



とりあえず、




「目は細い方がいいですね」


「え、意外。ジャニーズ系が好きなのかと思ってた」


「あぁ…」




ジャニーズ系って、裕矢くんみたいな感じ??

大人っぽいけど。


確かにあれはあれでかっこいいけど、どちらかと言うと…




「“ハルさん”みたいな感じかなぁ…」




無意識に声が出ていた。



自分の発言に自分で驚く。




「え?“ハルさん”?」


「あ、はい。一紀さん、クラス違うんですか? 2年生ですよ」


「ちょお待って! ハルさんって“片岡さん”!?」




………


……………は?



“片岡さん”???




「って、ぇえぇええー!?」




あたしの雄叫びは公園中に響き渡っていたのではないだろうか。




「こっちがびっくりだから!! 何、知らなかったの!?」


「知りませんよ、名字なんて!!」




──聞いたことないんじゃない。



噂で名前なんか嫌でも耳に入る。




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