君とふたりで。
「やっばー!! 遅刻だっ」
あたしは寝坊したため、慌ただしく支度をしていた。
「ちょっと咲良! あんたまだいたの!? 学校遅れるよ!」
お母さんの怒鳴り声にも、今は返事をしている余裕はない。
鞄に荷物を詰め、バタバタと家の中を行ったり来たり。
「咲良!! 早く行きなさいよ!」
「っせーな! 今行くわ!!」
あたしはお母さんに怒鳴り返すと、何か言われる前に家を出た。
…危ない危ない。
また「女の子なんだから言葉遣いに気をつけなさい」とか叱られるとこだったよ。
この男っぽさ、いい加減どうにかしないとなぁ…。
そんなことを考えながら、学校へ向かった。
─────
「おはよー咲良っ♪」
教室に入ると、香織と唯が笑顔で挨拶してきた。
あたしもおはよう、と声をかけ席に着く。
急いで来たため、ハァ〜…っと大きな溜め息が出た。
走ったからかなり時間短縮出来て、ギリギリ遅刻せずに済んだ。
「ねぇねぇ咲良! 今日の放課後、部活見学とかあるらしいけど、どこ見に行く〜??」