君とふたりで。
鞄を床に置くと、2人があたしのもとにやってきた。
部活見学…?
あ、そういえば昨日、そんなこと言ってたような。
「ん〜…。今んとこ入る気ないんだけどなぁ」
「でも部活って、入っといた方が将来的にいーよね」
そーなんだよ、進路を考えると。
でもここの学校じゃ、真面目にやる生徒いないと思うんだけど…。
「気ィ進まないから…どうしよ」
「中学ではやってたの?」
…実はあたし、中学校でバスケをやっていたんだ。
本当に強い学校で有名になるくらいだった。
でも、あたしには全く良い思い出がない。
「まぁ〜今んとこ考えてないな。2人は何かするの?」
「うん! 私達は中学の時テニスやってたからさ♪」
そーなんだ…。
確かにそんな感じするかも。
なんて適当なことを心の中で呟く。
「あ〜あっ! どうせならあたし、家庭部とかにしよーかな」
不満そうに愚痴を漏らす香織。
家庭部といえば、部活をやりたくないけどしょうがないから入る、みたいな人が来るらしい。