君とふたりで。
「じゃあ土曜日、予定空けとけよっ♪」
香織はウインクでもしそうな勢いでそう言った。
──そして土曜日。
3人で待ち合わせをして、買い物をして、プリを撮る。
久々だなぁ、こーやって遊びに出るの。
昼にはファミレスに入ってご飯を済ませた。
一通り遊び終わると、みんなは名残惜しそうに別れた。
「今日はこっちから帰ろ」
近道をして帰路につく。
なんとなく…
“あの道”を通りたかったっていうのもあるけど。
「咲良ちゃん?」
あの、裕矢くん達の溜まり場を通り過ぎようとした時。
前から来た男の人に声を掛けられた。
それは、ちょっと前に裕矢くんと一緒に、女子から追っかけられていた…
「…咲良ちゃんでいーんだよね?」
あの、爽やかな落ち着いた感じの…茶髪の人だった。
「あ、はい」
「良かった、名前間違えたかと思った」
その人はやっぱり爽やかな笑みを向けて言った。
「あの〜…」