君とふたりで。
印象
“じゃあハル、送ってやんなよ”
「──ぇえ!!?」
いきなりの提案に、バカデカい声を上げてしまったあたし。
ハッと我に返った時にはすでに手遅れ。
“ハルさん”を含めた3人がこちらに視線を向ける。
「あ、嫌?」
「智史、さっきからいちいち失礼だぞ!! それ聞くのはハルだろっ」
裕矢くんがまともなことを…
じゃなくて!
今叫んだあたしも相当失礼だし!!
絶対キレたよ!
そのうち「…あ"? 誰に向かって言ってんだ」ってなって、固く握られた拳が顔面に──
「……?」
妄想のオンパレードだったあたしは、何も飛んでこないことを不思議に思い“ハルさん”の顔を見上げた。
いたって普通。
キレている様子でもない。
ホッと安堵の溜め息を漏らす。
「どぉ、ハル」
「…別にいーけど」
本当に思っている風には聞こえないけど、大丈夫なのかな。
内心、「なんで俺様がこんな変なの送んなきゃいけねんだよ」とか思ってないかな。
不安を隠しきれないあたしを見て、智史さんはなぜかフッと笑みを零した。