君とふたりで。

こんなんじゃ仲良くなるどころか、この態度によって嫌われるかもしれない。



あたしの予想は大きく外れる…
こともなく。




「何？」




不機嫌そうな、いつもより低い声。



…すみません悪気はないんです。

ただ普通に喋れればそれで良かったんです。


あたしだって嫌われたいわけじゃない。仲良くなりたい…


って。


あたしは一体何考えてるんだろう。


こーゆうタイプの人間は苦手だったはず。


なのに今は──




「…聞こえてんのかよ」




色々考えていた最中に、思考を遮るその声。




「あ、いやっ…き、綺麗だなぁと思って…」




…あたしはどこまでバカなんだろう。


いい加減呆れてしまう。



あれだけ余計なことを考えていたわりには、出てきたのはこんな言葉。



案の定「は？」って表情を浮かべるハル。




「あ、その…なんでもない…」




途切れ途切れに呟くあたしに、




「何が？」




こっちが聞き返したくなるようなタイミングでの、その質問。



「何が？」って、何が…？