君とふたりで。



「あ…うん」


「何組?」


「1年3組…」


「誰かいんの?」


「いない…けど」


「ふーん」




ハルはジュースに口をつけたまま、興味なさそうに呟いた。



ハルがジュース…
似合わない。



なんて考えていると。




「俺も行く」




………。




「えっ!?」


「もー遅ぇし。送ってやるよ」


「いやいい!」




思いっきり断ったせいか、ハルは眉間に皺を寄せて見下ろした。


…まただ。


なんで「ありがとう」って言えないんだろう。


これじゃただの感じ悪い女だ。



自己嫌悪に陥っていると、ハルは何も言わず教室に向かった。


あたしは後に続いた。



廊下は静まり返っていて、潰し履きした靴の音とパタパタ小走りする音が響く。



教室に着くなり、自分の席に着いてプリントをまとめる。



ハルはあたしの前の机の上に座り、作業を見つめていた。




「…よく頼まれんの?」


「あ、うん。でもこーゆう仕事嫌いじゃないし」




自分で言った後ハッとした。


…あたし、めちゃくちゃ地味な奴?




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