②推しのマネージャー志望です!
「……」
「……」
「うん!瑛茉ちゃんよろしく」
「…へぇ。瑛茉ちゃんって言うの??可愛いじゃん。冬川有羽でーす。よろしく」
好印象な反応を示してくれたのは、景くんと有羽くんのみ。
残りの2人…特に心雨くんは嫌そうなのがビシビシ視線から伝わってくるし、翔兎くんに至っては真顔で私を見つめているだけで正直何を考えているのかわからなかった。
「ほら、俺たちも挨拶しないとだろ。翔兎、心雨も!」
「…春野翔兎。高2」
私を不憫に思ったのか、リーダーの景くんが促してくれたおかげで翔兎くんはようやく挨拶を返してくれる。
しかし、心雨くんは気怠そうに私にガンを飛ばしてくるだけで頑なに話しかけてくれる気配はない。
「心雨、アイドルたるもの女の子にその態度はなしじゃん?よくないぞー」
有羽くんが呆れたように窘めてくれるも。
「別にその子僕らのファンじゃないんだし、関係ないね」
と、全く聞く耳を持たない彼。
いえ。めちゃくちゃファンです。
最推しグループですし、なんならCDもグッズも買ってます。
そう言いたいのをグッと堪え、私は4人に向かってニコッと笑みを浮かべた。