②推しのマネージャー志望です!

「私、やるならトップ目指すつもりですので。まず、当面の目標として来年の3月にある共同ライブ、1位狙っていきましょう?皆さんもトップになりたくありませんか?というわけで、今日は私が事前に皆さんについて分析してきたデータをもとに話をさせてもらいますね」

「は?急に…何を勝手なこと…」

心雨くんが何か言いかけたが、それを無視して、私は手に持っていた資料に目を通しつつ話を続ける。

「さて、まず今年の共同ライブから…。データはすでにもらい、分析済みです。SAISONはグループランキング45位。個人ランクでは翔兎くんの20位が最高ですね…。心雨くんが65位。景くんが62位、有羽くんが68位。まぁ、他校のライバルもいる中でこの順位は新人アイドルにすれば大したものですが…人気アイドルと言うにはまだまだです!しかし、私はSAISONというグループは伸びしろが大いにあるなって思ってます!」

自信満々で声を張り上げ、そう言い切った私を唖然とした表情で見つめるメンバーたち。

その中で。

「具体的には…どういった伸びしろがあると思ってる?」

1人、翔兎くんだけが私に真剣な表情で問いかけてきた。
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