②推しのマネージャー志望です!

『…これって…』

たまたま通りすがりの駅前のコンビニに貼られていた1枚の生徒募集のポスターに目が止まる。

【私立花ヶ崎学園マネージャー科 あなたもアイドルのマネージャー目指しませんか?】

そんなポスターの文面に目が釘付けになった。

アイドルを支えるための勉強。

マネージャー科…!

なんて魅力的な言葉だろうと、ドキドキと胸が高鳴るのを感じる。

『私、私立花ヶ崎学園のマネージャー科を受けたいの!』

帰宅後、私は早速駅前で見たポスターのことを両親に話したのだが…。

『え、アイドルのマネージャーを目指すための学校?私立花ヶ崎学園マネージャー科…?ちょっと…それって大丈夫なの?』

と、苦笑いで心配される始末。

さらには。

『…え、花ヶ崎学園??あそこめっちゃ偏差値高いよ?さすがに無理じゃない…?』

友達からもそう心配されたが、大好きな推しのためならと、中学の3年間はほぼ勉強に身を捧げた。

…推しのマネージャーになるんだから…!

そんな思いを胸にひたすら勉強に打ち込む日々。

そして、ついに。

『…合格。やったわ…とうとう花ヶ崎学園に…合格したのよ!』

勉強のかいあって見事、私立花ヶ崎学園マネージャー科に合格した私。

その頃には両親も友達も私の本気を認めてくれていて、一緒になって合格を喜んでくれた。

これで、堂々と推しアイドルのマネージャーになるための勉強ができる!

そんな期待に胸を膨らませ、私は4月の入学式を迎える。
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