②推しのマネージャー志望です!

璃人さんにちゃんと挨拶しないと…!

そんなことを考えながら、収録スタジオに向かう廊下を八代瑛茉と歩いていた時。

「璃人くん、お疲れ様〜」

「あ、お疲れ様です。今日はよろしくお願いしまーす」

前方からそんな声が聞こえ、思わず僕はハッと顔をあげる。

数メートル離れた場所に立っているのは、まぎれもなく璃人さん本人。

他の演者の方だろうか?仲良く会話をしている姿に目が釘付けになった。

…やっぱり、璃人さんカッコいいな。

ビジュアルもいいし、歌も声もいいから声優の仕事だっていっぱいしてるし…。

学校の先輩だけど、今の僕からしたら遥か先…いや、雲の上の存在なのだと改めて実感する。

今回、収録場所が同じため必然的に璃人さんのいる方向に向かう僕ら。
そして、その距離が近くなるにつれ、僕は緊張が増していき思わずゴクリと息を呑む。

すると。

先に僕たちの接近に気づいた璃人さんが顔をこちらに向け、パチッと視線が合ったような気がした。
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