②推しのマネージャー志望です!
璃人…?
聞き覚えのある名前に思わず、視線を2人に向ける。
「…えっと、知ってることは知ってますけど…一応本人に了承得ないと勝手には教えられないので…」
「こら、心雨。瑛茉ちゃんを困らせるなっての!璃人って桜木璃人だろ?心雨がファンなのは知ってるけど、個人情報なんだからあんまり無理言うなよ?」
少し瑛茉ちゃんが困ったような表情を浮かべたからか、景くんがすかさず心雨をたしなめる。
「やっぱりダメか〜。ま、でもしょうがないよね。瑛茉先輩、無理言ってゴメン。今度自分で会った時に聞くから大丈夫!じゃ、僕この後、用事あるしそろそろ行くね?お疲れ様〜」
些か残念そうではあるが、すぐにいつもの調子に戻った心雨は、そう告げると、さっさと教室を後にする。
そして。
「あ…俺も今日は用事あったんだ…。そしたらまた今度のミーティングで!」
景くんも続けざまに教室を出て行ってしまうものだから、気づけば教室内は俺と瑛茉ちゃんだけになってしまった。