②推しのマネージャー志望です!

玲央さんとの距離が近づくにつれ、担当マネージャーとのそんな会話が聞こえてくる。

あの人って…確か今年うちを卒業したマネージャー科の花木紗夜先輩だ。

昨年の3年生首席で、卒業式には代表で答辞を読んでいたから見覚えがあった。

スーツを着こなし、長い髪を後ろで束ねた花木先輩は敏腕マネージャーって感じ。

…へぇ、花木先輩が玲央さんたちのマネージャーなんだ。現場で会うの初めてかも。

そんなことを思いつつ、俺は二人に近づいていく。

そして、声をかけようとした時。

「あーあ。瑛茉ちゃん、今年も2人のマネージャーしてくれると思ってたんだけどな〜。正直、2人には、それぞれ1人ずつマネージャーいてもいいくらいソロ活動多いし…私も手が回らないのよね…」

花木先輩が何気なく口にしたその一言で俺はピタリと足を止めた。

…瑛茉?

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